下肢 紫斑 原因

下肢に出現する紫斑の原因

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ヒトの皮膚は、表皮、真皮、皮下の三層で構成されていますが、紫斑とは、その真皮や皮下組織への内出血によって起こります。
紫斑の形状は点状や斑状で、赤紫から紫色を呈し、それらは病態により異なります。
原因は解明されているだけでも、血管炎、血管の脆弱性や閉塞、自己免疫疾患と多様です。
中でも下肢の紫斑を特徴とする疾患は複数ありますのでご説明します。
◆単純性紫斑
20代の女性に多く、四肢、特に下腿に多数の点状出血斑を認めます。
過労、ストレス、月経等で悪化しやすく毛細血管の脆弱性の関与が考えられていますが、明らかな原因解明には至っていません。
通常、数週間で自然に消退しますが、再発したり、痕が残ることもあり経過観察が必要です。
また、症状があるうちは安静に過ごし、悪化させないよう注意してください。
◆慢性色素性紫斑(特発性色素性紫斑)
中年以降の男性に好発し、主に下肢に多数の点状出血斑が出現しますが、徐々に紅褐色の色素斑へと進行します。
痒みをともなう場合があり慢性化するケースが多く見られます。
原因は、血管の脆弱性、高血圧、静脈の鬱血等が考えられていますが、明らかにはなっていません。
症状出現時は早めに受診し、鬱血を改善する為に、睡眠時は下肢をクッション等で挙上したり、長距離を歩行する事はなるべく避ける等、下肢への負荷を減らすようにしてください。
◆アレルギー性紫斑病(血管性紫斑病)
15歳以下に好発し、四肢、主に下肢に多数の紫斑が出現します。

形状、色調ともに一定しない紫斑の他、腹痛、浮腫、関節痛、腎炎(紫斑病性腎炎)等を起こす可能性があります。
ウィルスや細菌感染症に続発するケースが多く、原因はウィルスや細菌に対するアレルギーではという説がありますが、明らかにはなっていません。
経過が良好であれば、運動制限のみで1ヶ月程度で回復しますが、症状に合わせて、鎮痛剤やステロイドホルモン剤等投与が必要になります。

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◆血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)
先天性と後天性があり、前者は遺伝子異常が原因です。
後者が、この病気の95%以上と言われており、好発年齢は無く、どの年代でも発症します。
男女比は20?40代で、1:2の比率で女性が多いと言われています。
症状は倦怠感、吐気、筋肉痛、発熱、四肢特に下肢の紫斑、精神神経症状(頭痛、意識障害、錯乱、麻痺、失語、知覚障害、視力障害、痙攣)、溶血性貧血、黄疸、血尿、蛋白尿、稀に腎不全と多様です。
原因は、全身の細い動脈が血小板血栓によって詰まる事です。
血小板血栓形成の原因は、ADAMTS13と言う酵素の欠損または、その酵素の活性能が著しく低下してしまう為です。
ADAMTS13の活性低下には以下の3つが関与しています。
@ADAMTS13の先天的な欠損、または先天的な活性能の著しい低下
AADAMTS13に対する自己抗体の産生(後天性の場合)
BADAMTS13は肝臓で作られますが、重症な肝機能障害を起こすと、産生能が著しく低下します。
血小板血栓とADAMTS13の関連は、簡単にご説明すると、血小板の凝集をADAMTS13が切断する働きをします。
その為、ADAMTS13が欠損したり、活性能の低下により、血小板血栓がどんどん進んでしまうわけです。
血小板は次々と血栓になってしまう為に、その数も減少します。
その為に、紫斑が下肢等に現れます。
非常に難解な原因なので、最低限必要な事のみご説明し、割愛した部分もありますが、ご了承ください。

治療のご説明に移ります。
先天性に対しては、2週間毎に新鮮凍結血漿を、体重の10ml/kgずつ輸血します。
発症予防の為に欠損しているADAMTS13を補充したり、病状によっては発作時にのみ、新鮮凍結血漿を輸血するケースもあります。
後天性に対しては以下の通りです。
@血漿交換療法
出来るだけ早い血漿交換の開始が必要といわれています。
Aステロイドホルモン剤の投与
パルス療法と言い短期間に大量にステロイドホルモン剤を投与する方法と、内服薬を投与する方法があります。
B抗凝固剤の投与
回復期に血小板の再血栓予防目的で、抗凝固剤を併用する場合もあります。
?リツキマシブ
近年、リツキマシブという薬剤が、自己抗体の産生を抑制する為、有効と報告されていますが、保険適応外です。
日常生活では、先天性の場合は、必ず定期的に新鮮凍結血漿の輸血を受けてください。
後天性では、インフルエンザやマイコプラズマ等の感染が契機となり、発作かおこることがありますので、感染予防を徹底してください。
また、発作より寛解後の1年間に約1/3の方が再発する可能性があり、下肢の紫斑を初め、その他の症状に充分な注意が必要です。
下肢に紫斑を認める代表的な病気をあげて、その原因や、自宅療養時の注意点等をご説明しました。

紫斑病は、病気により、皮膚科と血液内科に診療科が分かれます。
下肢やその他に、紫斑や点状出血を認めた場合は、大きな医療機関の内科を受診されると、検査の結果で皮膚科と血液内科、適切な方に紹介してもらえます。
ご説明の通り、中には重病である事もありますので、下肢の紫斑に気づかれたら早めの受診を強くお勧めします。

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